熊本の阿蘇五岳と九重連山を一望できる瀬の本高原に、瀬の本高原リゾートが運営する「瀬の本高原ホテル」と「瀬の本レストハウス」があります。ここは以前、市村清が観光業を興し設立した三愛観光が運営する施設でした。
自然が人間の心に及ぼす力は非常に大きいと感じていた市村は、常々自然と共生する観光事業のあり方を追求していました。
1963(昭和38)年、瀬の本高原にある南小国村の村長がやってきました。村長は、別府・熊本間の横断道路が開通すると、雄大な大自然が観光業者たちによってめちゃくちゃにされてしまうのではないかと心配しており、そうならないために市村に南小国村の土地開発を委ねたいというのです。
村長の意を汲んだ市村は、天然の風光を絶対に傷つけずに、天然と人工とをどういうふうにマッチさせるかということに最大の関心を払い、完成させたのが二つの施設です。
ホテルから阿蘇の雄大な景色や星空を眺めていると、自然がいかに大切な観光資源であるかを実感します。
(2019年 株式譲渡により社名を瀬の本高原リゾート(株)に変更)