今月の市村清
Monthly
“今月の市村清”―2025年4月編―
新入社員の皆さんに
―全身全霊取り組んで―
毎年、桜の開花が早まり4月の風物詩も変わりつつありますが、変わらないものが新入社員の出勤風景です。慣れない満員電車に戸惑う姿は、初々しく、きらきらと希望に満ちたその様子は、私たちに初心に帰る機会を与えてくれます。
市村清も社長を務める各社で新入社員に訓辞を述べ、また三愛会会長として三愛会誌を通じて、各社の新人に呼びかけていました。
「新入社員を迎えて、訓辞をするときに、目をランランと輝かせて食い入るように私の話に耳を傾けているものが2,3人はいる。1~2年もすると必ず彼らは同期入社の社員の中から頭角をあらわしてくる。彼らの目を輝かせているのは、“真理探究”の精神だと私は思う。実務についたとき、彼らは常にその精神で、自分の仕事を批判し検討しながら進めてゆく。それでこそ、会社の事業も前進する。」
「最初の仕事についたなら、まずはおのれの職分に全身全霊を打ち込んで欲しい。これを遂行するためには、どうしても社会常識や、高い視野に立った智慮の裏付けが肝要であるから、仕事の余暇にはつとめて教養知識を高めていただきたい。
そして、どうか目先の小利欲にまようことなく、大いなる希望を抱いて愉快に働いてください。
人が見ていようと見ていまいと誠実一路、じっくり働くことが大事。誠実であれば必ずいつかは報われる時がくる。これはいついかなる世の中にあっても絶対に変わらぬ真理である。明朗溌剌に働くということは、諸君の健康のために、何ものにもまさって大切なことなのです。」
「時が経ち、30代には・・・
30代は男女を問わず、肉体的には勿論、精神力に於いても、智能力に於いても、もっとも充実している時代である。おそらく30代の処し方で、人生の勝敗浮沈がきまるといっても過言ではない。また、万が一失敗したとしても、再起できるという強みをもっている。
従って、安易な妥協はしないでいただきたい。あなたの信ずるところに邁進していただきたい。
転んだら、起きればいいではないか。躓けば、ふたたび起き上がればいいではないか。30代は、人生の基礎工事期間なのである。
だから、どういう小さなことにも、真剣に取り組んでいただきたい。かりそめにも、要領よく世渡りしようなどという料簡はすてていただきたい。絶対に小利巧になってもらいたくない。仕事に全身で体当たりしていただきたいのです。」
4月から新たに私たちの仲間となった新入社員の奮闘/活躍を心よりお祈りいたします。