第14回

何でも貸します

日本リース・インターナショナル

1963(昭和38)年の夏、市村は日本初のリース会社「日本リース・インターナショナル」を創設しました。当時、リース業はアメリカではすでに盛んになっていましたが、所有欲が強い日本人には不向きと考えられていました。

しかし、市村は「使用すれど所有せず」というのがこれからの大きな動きであると見ていました。「物でも人でも金でも、膨大な量の所有熱に浮かされて腐らせていた時代はもう過去のもの。個人的にも社会的にも、すべてフルに活用するのが時代の要請になってきたことを知るべきである」というわけです。

日本リースの誕生は全国に大きな反響を呼び、「使用すれど所有せず」「利益は所有からではなく使用から生まれる」などのキャッチフレーズも話題になって、アイデア社長健在なりの印象を世間に与えたのです。

実は「人間も貸します」という人材派遣業も構想したのですが、当時は職業安定法に触れて実現しませんでした。現在のリース業や人材派遣業の隆盛を見るとき、市村の先見の明に驚かされます。

今日のひとこと
〜市村清の訓え〜


今日のひとこと 〜市村清の訓え〜