会誌
すくらっぷ帖

Past feature articles

三愛会の機関誌として1954年に創刊した三愛会会誌。創業者・市村清の思想をはじめ、会員会社の動向や社員同士のコミュニケーションツールとして発行されてきました。
「会誌すくらっぷ帖」では、今までに会誌に掲載した記事の中で、特に人気の高かったものや、発行時の時代を反映した興味深い記事を厳選して紹介していきます。

三愛会会誌68号(1971年発行)・69号(1972年発行)

夏の暑さも一段落して過ごしやすくなってきましたが、ここで“芸術の秋”を楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回は、1971年発行の68号と1972年発行の69号に続けて掲載された、イラストレーター・エッセイストの真鍋博(1932年7月3日~2000年10月31日)さんによるエッセイをご紹介します。
真鍋さんは愛媛県出身で、抽象的で洗練された画風を得意とし、その独特なタッチと表現力はSF小説家の星新一さん、筒井康隆さんの著書の表紙や挿絵を手掛けた方としても有名です。
今年は真鍋さんの没後20年という節目の年で、10月1日から愛媛県立美術館で大規模な回顧展が開催されています。たまには美術館で作品鑑賞をしてリフレッシュするのもいいのでは。

68号PDF版(抜粋)を閲覧する(PDF 4.8 MB) 69号PDF版(抜粋)を閲覧する(PDF 5.6 MB)

1971年10月に秋季号として発行された68号は、“生涯教育”が特集のテーマだよ。“生きた教育”についての座談会や当時の中学校の教育現場を取材したページなんかが紹介されてたんだ。

この号の真鍋先生のエッセイのタイトルは「人間森林」。秋らしい色使いで、人間の脳の大きさや刻まれるシワは、年を重ねた木の幹のシワや年輪に似ていると表現しているんだ。植物の成長には高さや大きさの限界があるけれど、人間森林は一生教育を受け続ける限り成長し、人間の能力と才能に限界は無いっていうお話だよ。

こちらは1972年1月に冬季号として発行された69号。特集テーマは“記録”だよ。
言語や映像、情報などの記録の未来性を語る寄稿や、マイクロ写真の制作現場を取材したページなんかを紹介してるんだ。

タイトルは「記録生命体」。真鍋先生の世界観がよく表現されていて、一度見たら忘れられない作品だよ。今回、愛媛県立美術館でこの原画を展示しているみたいだから、行く機会があったら探してみてね!記録が人間的発展を遂げるために、時代の叫びや悲しみや歓びという人の営みの小さな記録を遺していかなければいけない、という大きなメッセージだよ。

10月1日から愛媛県立美術館で開催されている、真鍋博回顧展の詳細はこちらまで。

今日のひとこと
〜市村清の訓え〜


今日のひとこと 〜市村清の訓え〜