今月の市村清
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“今月の市村清”―2020年11月編―
東京・銀座にリコー三愛グループの総力を集結した“リコー三愛ビル”開館
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市村は銀座4丁目の角にドリームセンターを建てたり、銀座通連合会に頼まれて数寄屋橋の高速道路の高架下に西銀座デパートをオープンさせるなど、「これからの時代は銀座だ!」として新たな事業のスタートの場所として“銀座”にこだわりを持っていました。
そして1967年には、東京・銀座の昭和通り沿いに「リコー三愛ビル」を建設し、11月に落成式が執り行われました。
この新しいビルは地上9階地下3階、最上階には市村のための会長室をはじめ、リコーの営業部・貿易部、三愛石油、リコー時計(現:リコーエレメックス)、三愛の外商・商事部など、リコー三愛グループ各社が集結していました。
特に1階のリコーのショールームは最新のリコー製品がずらりと並び、ひと目で分かるようになっていて、開館早々から好評だったといいます。
リコー三愛ビルのお披露目となった11月21日は、市村によるテープカットと同時にビル正面に飾られた金色のクス玉がファンファーレとともに開花し、新しいビルの誕生が告げられました。ついで1階ショールームにて修祓式が厳かに執り行われ、その後6階のホールで完成披露パーティーが盛大に開かれました。
披露パーティーには、三笠宮殿下御一家をはじめ、川島正次郎氏(当時の自由民主党副総裁)や秦野章氏(当時の警視総監)、宇佐見洵氏(当時の日本銀行総裁)、五島昇氏(当時の東急社長)、棋士の升田幸三 九段、今東光氏(作家)、森繁久彌氏(俳優)、中村メイコ氏(俳優)ら、政界・財界・文化・芸能の各界の名士約600名が参席されました。
人と関わることが大好きだった市村清。この日は新しいリコー三愛ビルの誕生という、いわば自身の集大成ともいえる独特の“市村産業団”をたくさんの人にお披露目することが出来、さぞやその思いを嬉しく語り続けていたことでしょう。
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