今月の市村清
Monthly
“今月の市村清”―2018年11月編―
遊ぶときは何もかもを忘れて、徹底的に楽しむ
リコー三愛グループ合同運動会
三愛会には、多趣味だった市村が映画や音楽、プロレス、相撲、将棋、能楽など徹底的に遊んで楽しむ様子が記録に残っています。中でも、体を動かすことが大好きだった市村にとって、社員と興じる運動会は格別なものでした。
1968年(昭和43年)11月5日、千駄ヶ谷の東京体育館でリコー三愛グループ合同大運動会が開催されました。社員の見た市村の最後の姿が大運動会だったというのも、いかにも市村らしい感じがします。この体育館は、1964年の東京オリンピックでメインアリーナとして使われ、超一流アスリートが競い合った場所でもあります。昔は、そんな立派な体育館でリコー三愛グループの大運動会を開催していたなんてテンションが上がりますね。
来賓200名と東京地区15社の社員と家族6,000名が参加して行われた大運動会。今では想像もつかないようなビッグイベントですが、当時は毎年恒例となっていて、異業種ではあっても同じリコー三愛グループの仲間が一堂に会する唯一の行事だったのではないかと思います。ちなみに、東京地区15社というのは、リコー、三愛、三愛石油、日本リース、リコー計器、西銀座デパート、リコー時計、リコーマイクロ写真、三愛運輸、リコーカメラ販売、リコー電子工業、三愛不動産、寿リコー販売、草加リコー製造、三愛フーズ。
三善大会委員長を先頭に役員・選手団1,251名の整然とした行進から始まる入場は、オリンピックの開会式を彷彿とさせます。日頃、顔を合わせることの少ないグループ各社の社員、そして家族が紅白に分かれ、それぞれ3つの応援団を練り出し、声をあわせ手拍子を打ち熱心に応援するさまは活気に溢れていました。万雷の拍手で迎えられた市村夫妻は、ロイヤルボックス席から惜しみない声援をおくり終始笑顔。お昼の休憩時間には、東京オリンピックで銀メダルに輝いた体操の鶴見修治選手の模範演技につづいて、当時人気を博していたグループサウンズバンドのザ・サベージによる演奏が始まると、曲に合わせて若手社員は踊りまくり。各社嗜好を凝らしての仮装行列では、日本リースの男性陣がバレリーナに扮したバレエ「白鳥の湖」が優勝し、場内は笑いの渦に。そしてなぜか運動会の締めは、大抽選会。ラッキー賞711本の賞品には、当時ではまだまだ高価だった東芝製カラーテレビや日立製ステレオ、高級紳士服お仕立て券等豪華絢爛!相当に盛り上がったでしょうね。社員だけでなく家族を含め大いに楽しんだ一日でした。この模様のモノクロ動画をこちらのページに掲載しています。
遊ぶときは何もかも忘れて、徹底的に楽しむ。従業員は事業の協力者といい、楽しいときも辛いときも、一番に社員やその家族を思い行動した市村は、皆から敬愛されたことでしょう。