今月の市村清
Monthly
“今月の市村清”―2018年1月編―
三愛ドリームセンター誕生!
アイデアがアイデアを生む!三愛ドリームセンターは五重の塔がヒントだった。
銀座のランドマーク、三愛ドリームセンターは、1963年1月13日に誕生しました。
今から55年前のオープン当時は四角いビルばかりだったため、“総ガラス張りの円筒形ビル”は、完成前から東京中の評判となりました。三愛ドリームセンターには、市村のアイデアがたくさん詰まっています。
市村は、90坪あまりの狭い敷地では、店舗としての売場面積もとれず採算が厳しいため、銀座の一等地の強みを生かした“宣伝価値”に重点をおくことにしました。
そして、「日本一のこの地に、世界一珍しい建物を新築して観光日本の一助に資したい」という市村の思いは、旅先で見た奈良・法隆寺の五重の塔をヒントに、“真ん中の一本の柱が全体を支える総ガラス張りの円筒形ビル”という斬新なアイデアにたどり着きます。
このユニークな形のビルが完成するまでには、市村や社員たちの並々ならぬ苦労がたくさんあったようです。
当時は、この建物の発想が斬新であり過ぎたために、資材、外装、店内装備、照明などあらゆるものを一から考えねばなりませんでした。ビル構造面では、外壁の特殊な硬度曲面ガラスは東京郊外で何度も強度テストを繰り返し、役所の許可をとるまでに2年半もの時間がかかりました。店内装備では、円形の各フロア床に合わせたドーナツ型の丸いショーケース、ビーズネックレスをヒントに考案した金属の紐を垂らした簾式のカーテンなど、市村のアイデアが次々と実現されました。
地下3階、地上9階屋上のネオン塔を入れると地上48mの三愛ドリームセンターは「市村アイデアの宝庫」としてついに完成しました。
また、三愛ドリームセンターの完成披露パーティーを、まさかの夜中に開催するというアイデアは世間があっと驚く大ニュースとなりました。
1月13日の午前零時、フランキー堺のドラムロールに合わせ、1階ずつフロア点灯が行われ、最後に最上部の広告塔が点灯した瞬間、群衆から大歓声がどっとわき上がりました。深夜にも関わらず、招待客1,600名、一般客3,000名を超える人々が集まり、披露宴会場は大勢のお客さまでいっぱい!
また、歩道には昭和初期の懐かしい“銀座の夜店(屋台)”が何軒も軒を連ね、おでんにカン酒、しるこ屋、石焼き芋に綿菓子。パチンコ台まで並んで大繁盛!一夜限りの楽しい夜祭りが開かれました。
この昔懐かしい夜店の再現も、“完成披露パーティーに来てくれたお客さまを喜ばせたい”という市村のアイデアから実現しました。
アイデアに始まり、アイデアに終わった、三愛ドリームセンターの建造は、「やろうと思えば、アイデアは無数に出てくるものだ」ということを市村が身をもって実践し、社員たちにそれを堂々と示してくれました。
完成披露パーティーの様子
※再生時に音声が流れますので、音量にご注意ください。
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