三愛会会誌171号
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 世間の度肝を抜いた﹁真夜中の開店披露宴﹂も無事終了し︑午前11時︑三愛DCが開店しました︒本館の左右の壁面﹁コイコリン﹂には︑開店を祝ってくださる関係会社︑取引先から贈られた何百という花かごが飾られましたが︑これも演出の一つで︑花かごには贈り主の名前が記されていました︒オープン初日6「コイコリン」と呼ばれる壁面にお祝いの花かごが何段にも飾られ、文字通り開店に花が添えられた。開店当日は朝早くからお客さまが詰めかけた。 開店時間(午前11時)の1時間前には開店を待つお客さまが、ビルを取り巻くように歩道にまであふれていた。 TOPICS「特注」されたいろいろ 三愛DCの建設資材、設備等々については、既成概念を超えたさまざまな工夫が必要だった。 ドーナツ型ショーケース  円形の建物のため、普通の四角いショーケースでは合わない。しかし、なかなか良い案が浮かばず、ドーナツ型が提案されたのは開店のわずか1カ月前であった。中央の柱に沿った大きなショーケースの他に、小型の円形のショーケースも製作され、各売り場で商品が美しく並べられた。 (写真上:1階化粧品売り場) 金属のカーテン  カーテンは小さな金属玉を細い紐に通したものをすだれ状に垂らす案が採用された。開店後、キラキラ輝いて美しいと話題になった。  アイデアの提供者は市村の妻・幸恵。糸にガラスビーズを通して作るアクセサリーから思いついたという。 (写真下) 湾曲した網入りの窓ガラス  建設当時の消防法で、隣りのビルに接する区域の窓には網入りガラスを用いることが必要であった。しかし、網の入っていない大型曲面ガラスの調達でさえ困難な状況で、網入りは絶望的だった。四方八方手を尽くして探した結果、たった1社、富山県の社員数人の小さな会社『新光硝子工業』が製作を引き受けてくれることになった。  結果、網入りガラスの曲面加工に成功し、また、製作過程で1枚も破損することなく、無事総数250枚が納品された。

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