三愛会会誌171号
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5招待客は千数百人。趣向を凝らした数々のおもてなしが提供されたが、中でも人気を呼んだのが模擬店街。銀座中央通りの歩道に有名店が露店を並べた。ゴンドラが昇るにつれて、大ドーナツ型の光の輪が重なっていく。 そして、ゴンドラが9階まで昇ると、屋上のネオンが輝き始め、全館が金色に包まれる。まさに歴史的瞬間であった。 (写真は、写真家・吉田利雄氏が向かい側にある和光の屋上時計台から撮影したもの。後ろのサービスタワーのリコー時計が0時5分を示している)流 政之 氏(1923〜2018) 長崎県出身の世界的彫刻家。彫刻だけにとどまらず作庭や陶芸、家具デザインなど、多彩な造形においても独自の技法やスタイルを確立した。 1975年、ニューヨーク世界貿易センターのシンボルとして製作した巨大彫刻『雲の砦』で国際的評価を得た。 TOPICS三愛DCを飾った彫刻家・流政之氏の作品「コイコリン」 女性たちを映すユニークな壁面  円筒形の本館の両翼に、屏風を後ろに半開きにして立てたような壁面で4階まで届いている。ブロンズの変形枠に黒の凸面鏡をはめたユニークなデザインで、ブロンズの枠の上にはRICOHの文字と理研光学のマークが描かれている。  流氏は、壁画を描くよりもここを訪れた女性たちが自らを映して、幾重にも変化する画面を動画のように楽しんでほしい、そして恋も来るように、との願いを込めて「コイコリン」と呼んだ。 雌雄の猫  左右の壁面前に1匹ずつ置かれた石彫りの猫、“ごろべえ”と“のんき”。両方をなでると夢がかなうとか、恋人同士になれると言われるようになり、いつしか、この猫たちが「コイコリン」と呼ばれるようになった。

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