5 1946(昭和21)年12月、「三愛精神」発表当時の日本は、都市のほとんどが焦土と化しておりました。衣食住のすべてに困窮していたとき、機関誌を出すなどは、およそ常人には及びも付かないことでした。 しかし、市村清はわずか16ページの粗悪なザラ紙の雑誌ではありましたが、日本の復興と未来の発展を信じ、リコー三愛グループの機関誌『三愛』を創刊、その誌上にかねてより温めてきた自らの人生哲学ともいうべき論文を掲げたのです。ときに創業者・市村清46歳でした。 発表された「三愛精神」は文語体、旧字体などで記された格調高い文章ですが、難読であるため、1987年、「読みやすい三愛精神」として現代の文体で著されました。 三 愛 会市村 清 揮毫(昭和35年5月23日 社長室において)
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